仏教って何?/人生の意味は?
-何でも質問箱-
. ①仏教の歴史(原点)
B.C.500年頃、インドのシャカ族のシッダルタ王子が、苦行を重ねて、苦悩からの開放の道を発見
した。そして、ブッダ(覚者釈尊)となった。その教えの総称を仏教(覚者の教え)という。
仏教を大きく分けると、原始仏教・部派仏教・大乗仏教などがある。また、地域的には、インド・
中央アジア初め、中国・朝鮮半島・日本・西蔵・モンゴル・スリランカ・タイ・カンボジアなどの
他、近年では、ヨーロッパを初め、南北アメリカ大陸、アフリカ大陸など、全世界に拡がっている。
そのため、仏教の核心を元に、伝搬する地域・民族の文化や習慣などへの適応により変化し、日本へ
も伝わった。
日本の仏教は、聖徳太子の時代に朝鮮半島から伝来し、南都(奈良)仏教・平安仏教・鎌倉仏教など
が基本となる宗を創っている。奈良仏教では、華厳・法相唯識・律等の学問の宗が成立している。
平安時代には、中国への最澄・空海などの留学僧によって、天台・真言の新たな宗が確立された。
また、鎌倉時代には、比叡山から多くの僧が生まれた。中国から将来された栄西・道元等の禅仏教や
浄土の教えの法然・親鸞等。日蓮の法華題目がある。後にそれぞれが宗となり、その後も時代を歴
るに従って時代状況などに適応しながら分派し、多くの宗派となった。
現在見られる多くの仏教は、この流れの中に作られたものです。しかし、仏教の名前を冠するだけ
の宗教も多く生まれ、一概に「仏教」を理解するのは簡単ではありません。
②仏教って何の役に立つの?
釈尊は、人間(人生)の苦しみ悩みから開放されるため
に苦行を重ねられ、終に発見されたのが「仏教」と呼ば
れる教えです。
その教えは、私たちが思っている宗教(神仏に祈願す
る)ではなく、現実を直視し受け容れていく事(現実に立
つ)によって、間違いなく苦悩から解き放たれる道です。
この体験は、ある意味、人生の全面的な受容です。臨床
心理学でも証明されていることですが、この方法しか有
りません。でも、大変難しいことです。そのために多く
の宗派には、修行が定められています。しかし、それも
多くの方々には非現実的なこととなります。
でも、その私を支え、必ず受け容れることを可能にし
て下さるのが、阿弥陀仏の念仏の教えです。既に、多く
の方々が、その念仏の教えによって、安心で幸せの人生
を経験されています。また、生きていくことだけでなく、
死後の不安も一緒に解決できます。また、生きる意味に
も気づかされます。
儀礼や風評でなく、ご自身で直接、お経や教えを聞き
学び、覚りの教えに触れてみて下さい。
どんな人生の壁や自然災害。身近な方との別れ。哀し
いこと苦しいことでも、開放(救い)することが出来ます。
⇖ キ僧院(海抜4116M)スピティー渓谷の東に
位置するキ地区のチベット僧院。
11世紀に僧ドムトゥンにより創建された。
⇐ ホテルのベランダから間近に見える
早朝のヒマラヤ(北インド ヒーマチャル)
②なぜ、仏教って多くの宗派があるの?
お釈迦様は、人間(人生)の苦しみ悩みから開放(救済)
される道を発見されました。しかし、その苦しみ悩みは
個人により、社会状況により、年齢や性別、事故や災難
など様々な状況に於いて生まれます。そのため「苦悩」
といっても数えることが出来ない程の種類が考えられま
す。更には、苦悩を抱える方の能力や体力、社会的な
条件などにより、解決の方法が異なります。その意味
で、解決方法(修行・仏道)が異なることはいうまでもあ
りません。そこで、お釈迦様は病に応じて施術や投薬が
異なる様に、様々な方法(道)をお説き下さいました。
それが、時代や地域や行者の手を経る間に、特に中心
とする苦悩内容が強調されて、「各宗派の教え」として
説き示されてきました。殊に祖師と言われる方々の人生
や課題とされる内容や個性によっても修行の方法が異な
ることとなります。
しかし、その分派の基本には、お釈迦様の覚りの内容
・基本的道理が根本となっている事はいうまでもあり
ません。だから「仏教」(ブッダ釈尊の教え)と呼ぶこと
が出来ます。また、様々な「仏教」と称する宗教があり
ますが、そんな中には釈尊が説かれた覚りの道理が根本
となっていない「虚偽の宗」(擬仏教)もあり、商業化さ
れたものも見受けられます。また、仏教でないものを
区別するのは、基本を知ればそれほど難しいことでは
ありません。ですから、「怖れる」こともありません。
自らの人生をお釈迦様の教えに問い・聞いてみること
は、人生を歩む上で大きな価値があります。
インド・サールナート 大菩提寺壁画 ⇒
(釈迦初転法輪の画)
クンズム峠の仏塔(海抜4590M)
雪のヒマラヤが雲の中に見える
風が強く、高山特有の天候